第2話 「家族になって得るものは」

 私が結婚しましたのは昭和三十六年、戦後の色もまだ残っていた時代でした。新婚旅行は宮崎が主流で、宮崎へ行く新婚旅行の歌もヒットしていました。結婚しましたら夫の家で両親と同居が当たり前といった時代でした。夫は長く続いた家業を継いでいましたので転勤の人がどれほどうらやましかった事か。姑からは、よくしかられ、若かった私はよく泣きましたがケロッと忘れ、三人の娘と元気でした。これが若さなのでしょう。毎日注意されるので私はノートに書く様にし、行事のことや食事のことなどを書いたものは三十冊程になりました。今読み返してみますと、姑も、いやな顔した事もたくさんあった私によく根気強く教えてくれたなあと感謝のみです。
 家庭の仕事は、ほとんど何も残らない事が多い中で「無功用」と言う言葉に出会いました。無心でやる事、心をこめると言う深い意味の言葉です。人生は本当に深く年と共に味が出てくる様に思います。