石松隆和・史子ご夫妻

「せっせっせーのよいよいよい」

石松 隆和・史子ご夫妻 長崎大学工学部教授

yoroshiku_21.fwロボットと聞くと何を連想しますか。日本人なら、世代を超えて『鉄腕アトム』と答えそうですね。時代の最先端どころか、遥か未来への夢がひろがります。でも、ロボットとおぼしき物が考案されたのは随分昔のことのようです。最古の記録とされるのは、紀元前八世紀、ホメロスの叙事詩『イリアス』に登場する鍛冶の神へーパイトスの作った、身の回りの世話をする“黄金の少女”だとか。

 

 

 

 

 

「私もアトムを作りたいと思ってましたよ」
 大学で介護用ロボットの研究開発を手掛ける隆和さんは目を輝かせます。
 「しかし、自分の傍らに寝たきりの親がいて、人類の未来だとか夢だとか言ってられないでしょ。現実に役立つ物でなければ意味がないと思いましてね」
 側で、大学のピアノ講師を勤める史子さんもうなづいています。
 「私はピアノ曲だけでなく、“わらべ歌”を通して子育ての支援をしているんです。手遊び歌でスキンシップをとることって大切ですよね」

 隆和さんの実家は福岡の農家。そのせいでしょうか、子供の頃から開けっ広げな性格で、幼い子やお年寄りが大好きなのだとか。一方の史子さんの実家は福岡の病院。では、知り合ったきっかけは・・・。
 「主人が大学院時代に私の弟妹の家庭教師をしてまして・・・」
 そこで、一目惚れですか。
 「とんでもありません。玄関のチャイムが鳴ったから出てみると、ビーチサンダルに短パン姿の男の人が立ってまして驚きましたよ」と史子さん。
 「ラグビーの練習帰りでしたから。でも、こっちだって、何だこの女はと思いましたがね」
 結局、史子さんのお父さんが二人を飲みに連れて行き、それから本格的な交際が始まったのだそうです。でも、決め手は二人とも話してくれません。 

 

 

yoroshiku_21_02.fw二人の生い立ちや仕事を伺っていますと、対照
的な世界を想像してしまいますが、見つめあう
目の表情からは、子供の興じる“手遊び歌”で、
互いの左右の手をクロスして合わせるような温
かさが伝わって来ました。人間好きだからこそ
出来るロボット、人間好きだからこそ伝えたい
歌。二人を結びつけた決め手は、“わらべ歌の
心”なんですね。

 

 

2007年2月vol.28 「よろしく先輩21」