第2話 「家計円満」

「家計円満」という言葉をご存じだろうか。夫婦が財布を一つにすることこそが、家庭円満への近道という意味だそうである。われら団塊の世代ぐらいまでは、亭主が外で働き、妻は家を守ることが半ば常識だったが、最近は女性の社会進出で、夫婦別財布の家庭が急増している。ところがである。オリックス生命の数年前の調査では、夫婦の円満度は財布の共同管理が10点満点で7・7と高く、別々だと5・9に急降下したそうだ。円満度が下がれば身の上相談となるのだが、心理カウンセラーの娘によると、仲直りは財布を一つにすることから始めてもらうという。「たかが財布」と侮るなかれ。カネの使い方を話し合い、透明感が高まれば、ささいなことでケンカもしなくなる。さて、この3月、年金生活者の仲間入りをする私の場合はどうか。自分の財布を持ち、アルバイトでこつこつ貯めたカネを存分に使ってみたい。ただ、このささやかな願いが叶うかどうかは妻の掌中にある。