八木敏夫・光子ご夫妻

「大地と共に」

八木 敏夫・光子ご夫妻 株式会社 日野江 代表取締役

yoroshiku_25.fw一年の計は穀物を植えるに及ぶ物はない。十年の計は木を植えるに及ぶ物はない。百年の計は人を植えるに及ぶ物はない。春秋時代の管仲の言葉です。
 人生はそれほど長い訳ではありませんから、果樹を育てる仕事がいかに大変なのかが解りますね。

 

 

 

 

 

「農業は少しづつ広げていく物なんですよ」
 敏夫さんは話します。
 「作物にもよりますが育苗には7~10年もかかります。単年作と違い、子育てみたいに難しいんです」
 光子さんが敏夫さんの労をねぎらうように続けました。
 でも、それだけ時間がかかるとブームなどで消費者の嗜好が変わったりしますよね。
 「そうです。だから絶えず先を考えながら取り組む事が必要です。いいと思って飛び着くと失敗しますから、ゆっくり考えてやって行くんです。しかも、一品種で十年は持ちませんから・・・」と敏夫さん。
 「まるで結婚生活みたいね」光子さんが笑いました。

  そうですか、それだと話が早いですね。お二人はお見合い結婚だと伺いましたが、経緯は。
  「近所の人から話がありまして、親がこの娘さんなら大丈夫と言ってくれたので決めました」敏夫さんが初めて照れた笑顔になりました。
 光子さんは農家の娘さんではないそうですが、抵抗はありませんでしたか。
 「私は何も解りませんから、主人について行くだけですので・・・」
 家事、育児、仕事と大変なのではありませんか。
 「料理は最近まで義母がしてくれてましたから、私はこれもまだ卵なんです」

 ところで話は戻りますが、ご近所の方のお話ですと、敏夫さんは何か大きな夢を持っているとか。
 「ええ、中国向けの作物を計画中なんです。だから、作るだけでなくバイヤー達との信頼関係も大切になりますね」

 

 

yoroshiku_25_02.fw農薬の規制があり、しかも旨くて安い物が求め
られる時代ですから、それだけでも大変でしょ
うが、これからは人間性のように姿形のない物
まで影響して来るんですね。まさに、冒頭で紹
介した管仲の『百年の計』の部分ではありませ
んか。人と大地を相手に生きるのは、さすがに
奥深い物なんですね。
 ああ、それで思いだした。今週末は実家に戻
って菜園にナスビの苗を植えるように頼まれて
たんだ。買うほうが早くて安いのに・・・あ、
考えが浅いか。

 

 

2007年6月vol.32 「よろしく先輩25」