第1話 「出会いの場」

母と私が戦後満州から長崎へ帰ってきたのは昭和21年夏の事でした。幼い(7歳)子を育てるために母は当時進駐軍のお相手をするダンサー(当時はそう呼んでいました)と、身につけていたソシアルダンスを教えて生計を立てていたのでした。
時代も変わり父も帰還し、両親はダンスを大学生やサラリーマンにも広めていき、戦後の唯一の社交場として長崎県に広めていきました。二人は昭和初期ダンスで出会って結婚したのです。若者達は両親が経営するタイガーダンススタジオで出会い、やがては結婚し、子供が生まれ…。長崎のカップルの多くの方々から良くお宅にお世話になりましたと言われたものです。自分は何故か就職した職場で出会った人と結婚するのでした。母がもし生きていたら106歳ですが、今でもダンスで出会ったカップルが母の昔話をしてくれます。先生は厳しかった。マナーが悪かったり、歩く姿勢が悪いとお尻をピシッとたたかれていましたと。
今は若い方達の出会いの場は何処なのでしょうね?時代が自由になり過ぎて返って不便になっているのではないのでしょうか。結婚に限らず良い人との出会いは人生にとって最大の宝と言えます。