堤けんじ・由子ご夫妻

「淡々たぬき」

堤 けんじ・由子ご夫妻 たぬき絵作家

yoroshiku_42.fw大正末期、ある狩猟家が“むじな”を二匹捕らえたが、ちょうどその時に“たぬき”の捕獲を禁じた狩猟法が制定され、これによって逮捕された。狩猟家の住む地域では“たぬき”と“むじな”は別の生き物だとされていたのに、当時の生物学では同一視されていたからでした。

 

 

 

 

 

お見合い結婚だそうですね。「新聞社の知人から話がありましてね・・・」けんじさんは、過去の事はあまり触れたくないのだそうで、照れています。
 「その方の奥さんと私が、同じように動物好きで懇意にしてたんです。それで、言われるままに或るお寿司屋さんに行ったんですけど、それらしい人がいなくて困ってたら、カウンターの中に立っているのが相手だったんです」由子さんは笑います。
第一印象はどうでしたか。
「まあ、可愛かったですね」
「優しい人という感じでした」
 けんじさんは店がありますし、デートもままならなかったのではありませんか。
「当時、彼女はバス・ガイドをしてたんですが、観光客に混じってグラバー邸を一緒に歩きましたよ」それから五ヶ月で結婚。決め手はなんだったのでしょうか。
「どちらも犬が好きでしたしね」
「私の理想は、動物好きで、お酒・煙草はほどほどで、ギャンブルをしない男性でしたから」
 今は店をやめ、狸絵一筋だそうですが、生活の変化はありますか。「主人が店をしている間は、子供たちと一緒に食事をすることがほとんどできませんでしたから、可愛そうでしたけど、それがなくなりましたね」由子さんは母親の立場で話します。
「二人の会話は、犬を通してすることが多くなりましたけど」けんじさんは絵の作風とは違って頑固者なのだそうです。由子さんにこっそり尋ねましたら、けんじさんを動物に例えると“虎”なのだそうですよ。

 

 

yoroshiku_42_02.fw現在では学問上“たぬき“と“むじな”は異なる生
物だとされています。
 それはさておき、この二人、こうして眺めて
いますと、愛情に関しては良い意味で“同じ穴の
むじな”みたいですがね。

 

 

2008年11月vol.49 「よろしく先輩42」