坂田幸利・由紀美ご夫妻

「ピーナッツ同盟」

坂田 幸利・由紀美ご夫妻 看護専門学校・看護師

yoroshiku_43.fw枯れた花から、細長い紐状の子房柄(しぼうへい)が垂れ下がり、土に潜ります。そこで固い殻に守られて育つのが落花生。最近の研究では、渋皮はポリフェノールが含まれていて体に良く、殻は細かく砕いて室内に置いておけばホルムアルデヒドを吸収してくれるので、シックハウス症候群に効果があることが判明。小粒ですが無駄のない食べ物なんですね。

 

 

 

 

 

二人は別の看護学校でしたが、共通の友人の紹介で知り合いました。幸利さんは優しい男性、由紀美さんは可愛い女性というのが互いの印象だったそうです。こうなりますと大恋愛劇場の開幕ですね。
「いいえ、ただの友達でしたよ」
「気心の知れた、仲良しかしら」
それではプロポーズの言葉とか、場所は・・・。
「いつの間にか自然に、そうなっていましたから」
これまた予想が外れましたよ。それでは結婚生活もごく平凡に過ごしてきたんですね。
「両方とも三交代の勤務ですから擦れ違いが多くて」
「特に、子供が出来てからは時間との戦いでしたね」
二人とも表情がこわばります。そして由紀美さんは目を潤ませました。
「子供は保育園に育ててもらったようなもの・・・」
なるほど、可愛い盛りの子供を預けての仕事ですからね。
 でも、同じ仕事ですから互いに理解があり、助け合って今日まで過ごして来られたのだそうです。
「何と言いますか、仲間同士みたいな夫婦です」
「一緒になって戦い、守り合うようなね」
「ただ、子供が病気の時は母親が側にいる方が良いだろうと、仕事を休ませたのは申し訳なかったね」
 幸利さんは神妙な目で由紀美さんを見詰めました。初めて口にする言葉なのです・・・。
 実は、そんな夫婦の苦労を、二人の男の子たちは見て育っていたんです。
「長男が二十歳の誕生日に“今までありがとう”と一泊二日の旅行をプレゼントしてくれましてね」幸利さんは唇を噛み締め、「子供に育てられたんですね、私たちは」由紀美さんは再び目を潤ませました。

 

 

yoroshiku_43_02.fw今は子供たちも大きくなり、幸利さんは看護学
校の教師になりましたから、生活も少しずつ変
化しているようです。花が枯れ落ちて地中で実
を結ぶ“落花生”のように、固い絆の殻で守り守
られる夫婦、家族。暖かな話を有難うございま
した。

 

 

2008年12月vol.50 「よろしく先輩43」