上戸英俊・理枝ご夫妻

「赤トンボ」

上戸 英俊・理枝ご夫妻 長崎市在住

yoroshiku_52.fw昼下がりの公園。緑濃い木々から沸き立つ蝉時雨をよそに、無数の赤トンボが飛び交っています。夏は山の方で過ごし、秋口になると再び平野部に戻ると言います。この頃には、片仮名の”キ”の字みたいに雌雄が繋がって飛んでいる光景を目にしますね。

 

 

 

 

 

二人が知り合った経緯を教えて下さい。
「同業だけど違う会社の入っていたビルで働いていた時に見掛けたんです」英俊さんは目を細めます。
 それで自然に交際が始まったわけですね。
「いえ、ある時に突然彼女の姿を見掛けなくなって、それで彼女の先輩だった人に連絡先を教えて貰ったんです。ずっと、気になる存在でしたから」
「私は転職したんです。彼は特別な存在ではありませんでしたから、連絡を受けて驚きました」二つ年上の理枝さんは穏やかに話します。

 結婚までの五年間は、どんな交際だったのでしょう。
「波乱万丈でしたね・・・」理枝さんが英俊さんに語りかけるように視線を合わせ、続けます。
「・・・実は、その間に三回も別れたんです」
 原因は何だったんですか。
「まあ、僕のわがままだったんですね」
 それでも、最終的に結婚に至ったのは何故ですか。
「三回目は一年ほど別れてたんですが、ある日、私の家の近くで彼と偶然に出会いましたから、“これからどうするつもりなの”って言い寄りました」
「彼女が一番素敵だったことに気付きましたよ」
 少し時間と距離を置いたのが良かったんですね。今は幸せですか。
「勿論です」「彼は一緒にいて楽しい人なんです」

 

 

yoroshiku_52_02.fwそんな過去を振り返る二人も、結婚七年目。共
働きなので一緒に過ごす時間が少ないのが今の
最大の悩みだと言います。“人には添うてみよ”
とは申しますが、互いに心底から理解し合うの
はなかなか難しい事なんですね・・・。
 おやおや、インタビューは終わったのに、二
人は車を置いたまま仲良く手を繋いで歩いて行
きますよ。まるで、秋口の赤トンボみたいに・・・。

 

 

2009年9月vol.59 「よろしく先輩52」