第2話 美しい人

又吉直樹さんの芥川賞受賞作「火花」を読みながら結婚について考えさせられました。

芸人の先輩・後輩が芸の葛藤・哀感など見事に描かれた作品。気に入ったのは主役の二人より脇役で登場する真樹さん。夜の仕事だが笑顔のたえない優しい女性。「家に住まわせて貰っているだけ」と言う先輩に献身的に尽くす。後輩はいずれ、結婚と思っていたら「真樹な、男が出来てん」で別離。

十年後、後輩は一度だけ真樹さんと少年が、手をつなぎ歩いているのを目撃。「当時の面影を残し本当に美しかった」。母と子のつつましい幸せが美しい絵。どこかで見る風景。ほのぼのと切ない感動です。

ふうっと浮かんだのが白蓮事件。柳原白蓮(宮崎燁子)さん。歌人で大正三美人の一人。華族の出自。筑豊の炭鉱王と結婚するも豪華な生活を捨て、年下の労働運動家との恋に生きる。美しい人は、人を素朴に好きになる心。これが結婚家族の絆になるんですね。