前田稔・沙都ご夫妻

「恋は思案のほか」

前田 稔・沙都ご夫妻 株式会社 前田商会 代表取締役社長

yoroshiku_56.fw物の価値はどのようにして決まるのでしょう。定価は生産コストなどから計算されますが、抽象的な物や美術・工芸品、あるいはアンティーク、ヴィンテージ、ブランド物となりますと素人には想像すらつきませんね。
 では、参考までに専門家に尋ねてみましょう。

 

 

 

 

 

「ブランド物は本物を見て勉強することですね。表面的なことだけでなく、仕上げ方や裏側等一見、見にくい所を丁寧に見ることです。これは人を観察するのと同じですね」
稔さんは、仕事口調で熱弁します。
ところで、二人はお見合い結婚だそうですね。
「父の友人から紹介を受けたんです」
「十二月にお見合いをして、翌年の四月に結婚しました。今年で二十年になります」
沙都さんは、しっとりとした笑顔で話します。
印象はどうでしたか。
「彼女は明るくて、いい人だと思いました」
「私は、話が合う人だと感じましたね」
「でも、翌日電話を二回掛けたのに不在でしてね。父から、居留守をつかわれてるんだろうと言われてショックでしたよ」
 「私は本当に外出してただけなんですけど・・・」
二人は懐かしげに笑います。
 結婚後、お互いの変化を感じることはありませんか。
「彼女は強くなりましたね」
「私は、新婚旅行の時に主人がお土産のネクタイを値切るのを見て驚きましたよ。そんな事が出来るなんて知りませんでしたから・・・」
「でも、今は彼女の方がはるかに交渉上手になりましたね。それから最近、彼女が始めたストレッチ体操と社交ダンスの影響を受け始めたことが大きな変化です」
「認知症の予防にも、健康にもいいですよ」

 

 

yoroshiku_56_02.fw話は戻りますが、お見合いの時に稔さんは沙都
さんの裏側まで調べて見抜いたんでしょうね。
「いや・・・、あの頃は若かったですし、そこ
まではね・・・」
あれ、先程の話と随分違いますね。つまり見合
い恋愛なんですね。
「正直に言いますと、一目惚れでしたから」
 稔さんは少年みたいな笑顔を浮かべます。
 本物と偽物を見抜くプロでも、生涯の伴侶を
選ぶ時、殊に恋愛となりますと、難しい理屈は
通用しないようですね、皆さん。

 

 

2010年1月vol.63 「よろしく先輩56」