第3話 二人の夢

私たち夫婦には夢がある。それは、主人が定年退職したら、二人で世界一周クルーズをすることだ。以前長崎市内のホテルに勤務していた頃、長崎港に停泊する豪華客船を眺めながら、いつかは…と想い描いていた。

時間のある定年後だからこそ、飛行機ではなく、あえてゆっくりと船で移動時間も楽しみながら世界各地を訪れたいと思った。船の中には、ホテルのような客室はもちろん、映画館、プール、ジム、公園など船上で優雅な日常を過ごす工夫がなされているのだ。

この夢を主人に話した時に、約束したことが二つある。それは、「二人とも健康で長生きし、何より仲良くあること」だ。

夫婦でも共通の何かワクワクするような夢があると、日々のふとした瞬間にそれを思い出し、楽しむことができるかもしれない。船に乗る私たち夫婦は、互いにしわは増えたが笑顔でとても幸せそうにしている…。そんな日を迎えられることを一つの楽しみに、これからの毎日を過ごしたい。