蘇栄忠・和恵ご夫妻

「愛の炎」

蘇 栄忠・和恵ご夫妻 平和樓

yoroshiku_74.fw“医食同源”と言いますと、多くの人が古くからある中国語だと思っているようですが、実はこれ日本語なんです。四十年ほど前に、臨床医だった新居裕久氏がNHKの料理番組で使った造語。温州ミカンの故郷は中国なのに、突然変異で違った果実になって原産地が鹿児島県の長島とされたのに似てますね。

 

 

 

 

 

二人が知り合った経緯を教えて下さい。
「僕は大学を出てすぐに、福岡の同名店の“平和樓”で修行をしていたんですが、その頃ふらりと食事で立ち寄った店に彼女がいたんです」
「両親同士が知り合いだったんですけどね」
第一印象はお互いにどうでしたか。
「とにかく彼女は綺麗でした。いきなり結婚したいと思ったほどですよ」二人は見つめ合います。
「育った環境が似てましたし、金銭感覚や嗜好も同じで、アットホームな雰囲気を持ってましたね」和恵さんはリスのような目をして話します。

どんなデートをしていましたか。
「食べ歩きをしてましたよ」と栄忠さん。
「将来は二人でお店をするつもりでしたからね」
「総てが、その事に繫ってたんです」
「食べて、学んで・・・、修行ですね」
長崎で三代続く平和樓と言えば、知る人ぞ知るギョーザの名店ですが、他に何か拘りはありますか。
「僕は、タンタン麺を極めたいですね。修行時代から味を追求して来ましたし、自信はありますが」
「それと食材ですね。地元の物を使って、手作り」

余談ですが、栄忠さんの得意とするタンタン麺も、実は日本生まれの料理なんですね。
中華の鉄人として知られる陳健一さんの父、陳健民さんが考案したのだそうです。四川省には古くからありますが、これはスープの無い物だとか。

 

 

yoroshiku_74_02.fw学生時代に剣道をしていた栄忠さんは、一見す
ると強持てタイプなのですが、「酒が苦手で子
煩悩な人ですよ」と、和恵さんは言います。そ
の和恵さんは、学校を出て暫く保母をしていた
そうで、「今でも子供の様子を見ると微妙な変
化を読み取れる」のだと栄忠さんは感心します
。そんな二人を眺めていると、まるで、タンタ
ン麺を作る強火とギョーザを焼く弱火の関係み
たいですよ。さすがに夫婦間の火加減もプロで
すね。

 

 

2011年7月vol.81 「よろしく先輩74」