久松徳伸・万佐子ご夫妻

「愛の真向勝負」

久松徳伸・万佐子ご夫妻 久松鮮魚店

yoroshiku_92.fw空手を習っていた頃、師範がよく口にしていた言葉に「空手に先手なし」があります。血気盛んな高校生でしたから、街を歩けば、誰彼なく喧嘩を挑みたくなるもの。そんな無謀な心を戒める、今にして思えば有難い教えだったのですね。 二人は法政大学の出身だそうですが。 「ええ、空手部の先輩後輩でした。彼女は学生連盟の日本初の女性有段者(黒帯)なんです」穏やかに徳伸さんは話します。

 

 

 

 

 

当時の印象はどうでしたか。 「彼女は愛想が良くて、でも芯の強いタイプで、まるでリンゴみたいな女性でしたよ」 「彼は、駆け引きをしない男らしいタイプですね」 万佐子さんは奥ゆかしく話します。 卒業後、七年間は東京住まい。 徳伸さんは各種アルバイトをし、万佐子さんは四年間ほど都の職員として養護学校に勤めたと言います。 「魚屋の跡継ぎは決まっていましたから・・・」と、徳伸さん。それまでの執行猶予期間だったんですね。

万佐子さんは福島県・猪苗代の出身だそうですが、長崎に嫁ぐのに抵抗はありませんでしたか。
「そう・・・、正直に言えば不安もありましたけど」
「でも彼女の母親が強く後押しをしてくれまして」
「仕事も不慣れで大変でしたけど、なんとかなるものなんですよ。だから四人娘たちにも“好きな人と一緒になりなさい”と教えて来ました」
数年前に徳伸さんが病に倒れ、それ以降は役割を入れ替えて仕入れをするようになった万佐子さんは白虎隊の剣士のように凛々しく話します。それもそのはず、高校時代はスキーで国体に出場経験があり、剣道も有段者なんです。

 

 

yoroshiku_92_02.fw学生時代は、周囲の目がありますから、大っぴ
らに付き合うのは難しかったようですが、それ
でもこんなに強い愛を育んで来た二人。
空手に先手なし”とは言いますが、愛に関して言
えば“先手必勝”なんでしょうね、徳伸さん。

 

 

2013年1月vol.99 「よろしく先輩92」