吉田太・綾子ご夫妻

「真実は…」

吉田太・綾子ご夫妻

yoroshiku_96.fw往年の映画「ローマの休日」で知られる“真実の口”
サンタ・マリア・イン・コスメディン教会の片隅には、今も多くの観光客が訪れ記念写真を撮る長蛇の列が並びます。嘘偽りがあれば、差し入れた手を食いちぎられるというジョークが人気の理由ですね。

 

 

 

 

 

二人が知り合った経緯は。 
「私は佐世保の銀行に勤めていたんですが、研修で長崎に来る時、何度かここに食事に来ていたんです」 
穏やかに綾子さんが話ます。 
印象はどうでしたか。 
「僕の方はお客さんの一人としか・・・」と太さん。 
「そうね、言葉を交わすことはなかったわね。でも、ある日、先輩に焚き付けられて・・・」綾子さんは微笑みます。 
 
 
「彼女は人柄が良く、気を使わずにすむ感じでした」 
「彼は知識が豊富で頭のいい、私とは違う世界の人」 
結婚してから相手の印象に変化はありますか。 
「彼女はもともと喧嘩をしたことがないって人だったようですが、でも強くなりましたね」太さんは苦笑いを浮かべます。 
「彼は、結婚前に思っていた以上に私とは遥かに違った世界の人みたいですよ」と綾子さん。  
 
ところでプロポーズの言葉は。 
「僕は何も言ったことないんですが・・・」と、太さんは綾子さんの表情を窺いながら応えます。 
「いいえ、ちゃんと言ったんですよ。でも彼は覚えがないって言い張るんです」綾子さんは少し不満げに太さんを見つめます。

つまり、太さんが忘れたってことですか。
「いえ、本当に言ったことはないんですよ」
「言われました。でも記憶にないの一点張りですから、その言葉はお墓まで私一人の心に仕舞っておくことにしているんです」綾子さんは教えてくれませんでした。

 

 

yoroshiku_96_02.fw“真実の口”の顔は、海の神トリトンだと言われ
ます。 
法螺貝を吹いて、波をたてたり鎮めたり・・・。 
そうだ、太さんが以前料理の勉強に行ったイタ
リアに二人で出掛けませんか。その時、どちら
の言い分が正しいかトリトンの口に手を入れて
みては。 
但し、波風が立っても知りませんよ、ご両人。

 

 

2013年6月vol.103 「よろしく先輩96」