第3話 毎日が二人旅

「こんな掃除しない嫁、返却しますよ」と夫が言えば、「熨斗つけて返されても、お断りです」と母がウフッと笑う。ツワモノ2人の冗談かと聞き流そうとすると、夫が続けて言ったことには「そもそも結婚は想定外でして」。なぬ!?ここで掃除しない嫁が「そんなの初耳ばい」とツッコミを入れる。

なんだ、私と同じじゃないですか。そんな結婚する気なしだった2人が何の因果か13年も一緒に暮らしてこられたのだから、大したもんだ。今思い返してもアッという間だったなあ。でもちょっと待った、その「アッという間」をあと2巡もすれば、だいたい人生も最終盤。そう考えると意外に短くて焦る。焦ってみたって粛々と日々を送るほかないけれど、夫婦力が試されるのは、むしろ双方の親が老いゆくこれから先だ。それでも悲壮感がないのは、どんな状況に陥っても、独りではなく、2人で向き合っていけると思えるからなのだろう、きっと。

二人旅はもうしばらく続きそうだ。