第2話 婚前旅行のすすめ

相手の意外な一面を知りたければ、2人で旅行に出るといい。予定通りにいかないのが旅。想定外の出来事への対応の仕方で、その人となりが見えてくる。問題発生率の高い海外旅行に出る余裕はないので、37歳の私は交際4か月の男性と地味に温泉一泊旅行へ出かけた。
行ってみると、その老舗旅館の部屋はボロで景観も悪く、料理もイマイチ。いいとこなしなのだけど、彼は「この“思ってたんと違う感”が楽しいよね」と、ほんわか笑う。私も釣られて「温泉はよかったしね」。私の父のような酒乱でもなさそうだし、こんなおおらかな人ならたいていのことは大丈夫だろうと、結婚を決めた。
それから何年か後、テレビの旅行番組を見ていてこの一泊旅行を思い出した。そうか、29歳の時の結婚願望って、時間をかけて赤の他人と家族になっていく過程を切実に経験したくなったんだなと、柄にもなくしみじみ思った。
結婚14年目に入った「漫才夫婦」の現在については、次の最終回で。