浦田 建児・由美子ご夫妻

「太陽と月の照らす道を」

浦田 建児・由美子ご夫妻 レストラン経営(長崎市長浦町)

浦田 建児・由美子ご夫妻

一昨年2月、琴海行政センターわきの国道沿いに店を開いた。地産地消がモットーだ。

 

■店に響く楽しそうな声

取材に訪れたのは平日の午後3時だったが、奥の部屋からグループ客の楽しそうな声が聞こえてくる。しばらくして、建児さんと由美子さんは、満ち足りた面持ちで部屋から出てきた女性たちを笑顔で送り出してから、インタビューのテーブルに着いた。

ともに43歳で、学年は由美子さんが一つ上。出会いは19歳と20歳の時、長崎市郊外のスーパーだった。佐世保市出身の建児さんは水産高校を卒業後、就職して一人暮らし。由美子さんは専門学校へ通う傍ら、スーパーのレジのアルバイトをしていた。

スーパーをよく利用していた建児さんは、ある日由美子さんの家へ手紙を送った。建児さんの高校の先輩がたまたま、由美子さんの高校時代の同級生を知っていたので、住所を知ることができたのだ。由美子さんは手紙を数日間放置していたが、家へ遊びに来た友人が建児さんに電話して由美子さんに代わった。翌日のバイト終了後に近くで対面し、交際が始まる。

それから約10年。由美子さんの方から結婚を切り出した。「何事にも一所懸命のところがよかった」という。建児さんは「彼女は最初の印象と同じで、優しかった」と語る。24、5歳のころには結婚の意思がほぼ固まっていたものの、延び延びになっていたという。

結婚当時、建児さんは真珠養殖の漁協に勤めていたが、もともと料理に興味があった。手作りの料理を由美子さんに振る舞うこともしばしば。由美子さんが「料理の腕をほめて伸ばした」。建児さんは退職後市内の調理師専門学校に1年間通い、ホテルの厨房などで約6年働いた。

 

■新鮮な幸を使う「台所」

店名に二人の思いが込められている。「Cafe&Kitchen」の「Kitchen」は「浦田家の台所に遊びに来て、手作りの味を気軽に楽しんでいただく」。「Soluna」は「太陽(Sol)と月(luna)の恩恵を受けた新鮮な海や山の幸を使用する」と。

そうした思いを載せて、メニューは多彩。代表メニューの「ソルーナランチ」は「大人のお子様ランチ」(1000円)の位置づけで、定番のハンバーグやエビフライなどがつく。一方、「夜ごはんセット」(同)はお客の好み浦田 建児・由美子ご夫妻に合わせて毎日工夫して変える。

こうした料理で使う素材のうち魚のほとんどは、スズキやアラカブなど建児さんが大村湾で釣ったもの。野菜類の3分の1ほどは由美子さんの母親が作ったものだ。

常に「今どういう素材、どういう料理が適しているか」を探求する建児さん。おもてなしと手作りケーキを担当して、両輪として頑張る由美子さん。二人はこれからも、訪れる人たちの喜ぶ顔を励みに歩み続ける。太陽と月が照らす古里の道を、まっすぐに。

2017年6月 Vol.149「よろしく先輩142」