アハマド フセイン アワード・梓乃ご夫妻

「みんな幸せだといいな」

アハマド フセイン アワード・梓乃ご夫妻 エジプト雑貨店経営(長崎市)

アハマド フセイン アワード・梓乃ご夫妻

■エジプト雑貨の専門店

長崎市の中通りでエジプト雑貨専門店を開いている。

アハマドさんはエジプト人。梓乃(しの)さんは長崎市の出身だ。出会ったのは、2012年6月。カイロのホテルに宿泊していた梓乃さんがホテルの雑貨店を覗いた際、そこで働いていたアハマドさんから「オハヨウゴザイマス」と声を掛けられた。。梓乃さんは翌日、ハンハリーリ市場という14世紀から続く名所に行く時にアハマドさんに案内してもらった。アハマドさんに「デモがあっていて、独りでは危ない」と言われたからだ。翌日のナイル川クルーズにも、アハマドさんは同行した。

アハマドさんは語学学校で日本語を習っていたため、基本的な会話ができた。二人は梓乃さんの帰国後もメールやフェイスブックなどでやり取りし、半年後梓乃さんがエジプトを再訪した折に親しくなる。2014年1月、アハマドさんは梓乃さんの実家に挨拶に行き、3か月後エジプトで結婚。その年の秋に来日し、12月に今の店を開いた。

二人に相手の好きなところを尋ねると、「たくさんあるから、ひとことでは言えない」と一瞬困惑の表情。アハマドさんは梓乃さんのことを「きれいで、とても優しい。私のエジプトの家族にもとても愛されています」、梓乃さんはアハマドさんを「考え方がいつもフラットで偏っていない。誰にも平等に優しい。この人と一緒なら悪い方には絶対ならない」と全幅の信頼を寄せる。

 

■ベリーダンスの指導も

エジプト雑貨の専門店は九州でも珍しいという。置いてある雑貨の数々で、店内はとてもカラフル。ストール、テーブルクロス、香水瓶、香油、ネックレス、水たばこなどのほか、梓乃さんが指導している関係もありベリーダンスの衣装も揃う。いずれもエジプトから直接仕入れ、二人も年に数回は現地に足を運んで厳選している。

開店から約2年半、フェイスブックなどで発信し、県外からの来店も増えつつある。取材に訪れた日も、寄港したクルーズ船のイタリア人が寄ってくれたという。アハマドさんは「店をとっても大きくしたい。東京や大阪からも人が来て、エジプトの雑貨の良さをもっと知ってもらいたい」と語る。

アハマドさんはイスラムの教えとは違う一部の人たちの過激な行動のために、イスラムの本当の姿が誤解されるのを悲しむ。鎖国時代、出島を通じ世界に開かれた窓だった長崎。国際観光船も多く訪れるアハマド フセイン アワード・梓乃ご夫妻この地で、日本とエジプト、イスラムの架け橋になれないか、そういう思いを抱いているのかもしれない。

 梓乃さんには、ベリーダンスの方でも夢がある。現在、長崎、諫早、佐世保の3市で指導中。長崎のチーム「オリエンタル パフューム」は韓国や大阪の大会で優勝しているが、「もっといろんな経験をして、さらに羽ばたいてほしい」と。最後に二人は、笑顔で口を揃えた。「みんなが幸せだったらいいな」

2017年7月 Vol.150「よろしく先輩143」