佐々田つよし・裕美
ご夫妻

「恋のマジシャン」

佐々田つよし・裕美ご夫妻 マジシャン・ドゥー

yoroshiku_106.fw手品の起源は諸説あるようですが、最も古いのは紀元前二千五百年頃のエジプトの洞窟壁画。ただし確証はないそうで、最近では紀元前千七百年頃の古代エジプトのパピルスにある記述とされているとか。
いずれにしても、日本では縄文・弥生などの時代ですから、かなり古いのは確かなようです。

 

 

 

 

 

二人は夜間高校の先輩後輩だったそうですが、印象はどうだったんですか。
「僕には単に後輩の一人にしか過ぎませんでした」
つよしさんは無表情で応えます。
「私の方は、一目惚れでした。彼は生徒会長もしてたし素敵でしたしね」裕美さんは目を輝かせます。
互いに印象は随分違ったんですね。
「ええ。私は三回ほど告白したんですけど、振られましたよ」裕美さんは何故か微笑みながら話します。

そんな二人が接近した理由は何だったのでしょう。
「僕が大学生になってから、時々高校を訪ねてたので何となく仲よくなって、それに周囲の仲間に押されて・・・」
つよしさんは、やはり無表情。
「私は・・・、どうでしたかね、理由は解りませんでしたけど」裕美さんも無表情で応えます。

ところで、つよしさんは最近プロ・マジシャンとして活動を始めたそうですが、師匠とかいるんですか。
「いいえ、十歳の頃から独学なんです」
勉強や仕事の合間に特訓してたんですね。
「そうではなく、昔から人を楽しませたり驚かせるのが好きで、音楽もやってましたし、印刷会社でデザインの仕事もしたし、そんな中の一つがマジックだっただけなんです」

その後、つよしさんは東京に行ったそうですね。
「ええ。実は二年ほど同棲してたんですが、どうしてもバンドをやりたくて。上京する前日に婚姻届を出して・・・」
「私は妊娠してたんですけどね」裕美さんは微笑みます。
どう言うことですか。
「僕がバンドをやって、子供が生まれたら東京に呼ぶつもりだったんです」
でも一年で長崎に戻ったのはなぜですか。
「まあ、淋しかったんでしようね」つよしさんは照れ笑いをします。

「実を言いますとね・・・」裕美さんが席を外した時、つよしさんがポツリポツリと話してくれました。
「大学生の時、久し振りに彼女と会ったら、他の男の人と付き合っているのを知ったんです。そしたら急に彼女が気になり出したんですよ」
なるほど。三回も振られた裕美さんがマジックを使ったんですね。奥さんは貴方より腕のいいマジシャンかもしれませんよ、つよしさん。

 

 

2014年5月vol.113 「よろしく先輩106」