第2話 「つれあい NO.2」

ある夫婦の話をしましょう。大正3年生まれの夫と大正13年生まれの妻。
亭主関白を絵に書いたような夫に、妻はただ仕える日々でした。
当時ではごく普通の夫婦のあり方なのかもしれません。
夫は公務員として仕事一筋で、部下の面倒見もよく、順調に出世街道を歩んでいきました。
ただ、4人の子どもがいる家庭は一切妻任せです。
毎晩のように飲み歩き、連れを伴って深夜の帰宅。
そのまま自宅で飲み続け、妻は子守をしながら接待という生活でした。
年に一度の日帰り海水浴が、唯一の家族旅行でした。
それでも子どもの躾には厳しく、無作法をすれば、子はおろか妻にまで激しい叱責が及びます。
彼は、妻にとっては畏怖であり、子どもにとってはこの上なく煙たい存在でした。
時が流れ、子どもが巣立ったり、互いに大病を患ったりするうち、二人の関係が少しずつ変わっていきました。
お茶を入れる、洗濯物を畳むなど家事をする父親の姿に、子どもたちは驚くばかり。私の両親の話です。