パートナー考

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様々な分野で活躍する人たちが考える、男女の距離感

第2話 裏通りの絆 その2

 演奏時間が来たが始まる様子がない。100名程入るホールに、私と友人たったふたりがビールを飲み、ジャズライブが始まるのを待っていた。スマホで頻繁にお客集めの連絡をしていたボーカリストが、意を決め立ち上がり、ギタリストの青年とピアニストの女性を伴い、マイクの前に立ち、ライブの始まりを告げた。彼女は私の娘と同じくらいの年齢で、彼女に誘われ福岡に来ていた。3人の演奏はハーモニーを奏で、かつて聴いたことがないほど彼女はいきいきと歌った。終わるなり、私はバス時間を気にしながら友人に別れを告げ、ホールを出ようとした。彼女が追いかけて来、握手を求め、目を見据えて礼を言った。どうにか最終バスに間に合い、ほっとしていると彼女からメールが入り、ギタリストの青年が彼女の恋人であることを知らされた。私はため息を吐き、彼女の見事な歌声が、私の中で鳴っているのを聞いていた。

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