第1話 「しぶしぶの縁」

 それは3年前の2月22日。ニャンニャンの猫の日にちなんで、「猫の話を肴に婚活しませんか」そんな呼びかけで私の小さな居酒屋に集まった男女10名。その中に、いま話題の草食系とは正反対のいかにも体育系、店の入り口を腰を半分に折りながらしぶしぶと、入ってきた男性がいました。親友に無理やり誘われたとか。その彼が何とその日、赤い糸を見つけたのです。一年半後の夏休み、2人揃って結婚の報告に来てくれました。こんなに嬉しい事はありません。ログハウス風の新居も建築中との事。おせっかいな私は「あとはベビーね、どっちに似ても美形よ、きっと」。でも彼女は子宮の病気で子供は難しいとお医者様に告げられたそうです。ごめんね!と困惑する私に2人は「大丈夫。じっくり話しあって、それもこれも2人の縁、運命だから、2人で助けあって生きて行こうと決めたのです」と。気軽に始めた婚活のお手伝いでしたが、その先には重い人生の道のりがあることを痛感したものです。