第41話 「船旅をしましょうね、2人で」

最近の朝の習慣として水辺の森公園へ猫缶を持っていくのです。人間によくなれたノラちゃんがいて、たぶん転勤か何かで捨てられた、かつては飼い猫だったのでしょう。品のよい猫です。グレーと名付けて毎朝の面会です。そこでのひと時、いつも思うのです。猫を捨てるような人は、愛する人も自分の都合できっと捨てられるんだろうなと。この日は外国からの観光船が二隻入港してまして、年老いたご夫婦が数組手をつないで散歩しておられました。どこの国から来て、どこの国へ行かれるのでしょう。寒くなったら私もグレーを家に引き取ろうと思っています。
 人の淋しさ、つらさをわかっていたつもりの自分を、年を重ね、重ねますと反省しきりです。生き方の、思いやりの、愛の何が大事なのか、どうぞ変えないものは絶対変えないで、変われるものは素直に変えて、と願うのみです。