第39話 「自分磨きの旅」

7月末の長崎みなと祭りの花火を若い人達と船上からビール片手にカンパイ、カンパーイと見物しました。打ち上げの点火の火も見える、くらいの所から、花火はまさに頭上で開花。見事なものではありましたが思っていたほどの感動はありませんでした。多分、どんなに美しいものでも間近で、これでもか、これでもかと見せつけられると風情(ふぜい)も趣(おもむき)もあったものではありません。日頃の会話もそうですが、ほど良い距離とほど良い音が伝えたいことよりも伝えたいこころがあの方へ届くのではないでしょうか。頭上で花開く花火の破裂音を聞きながら隣の人とロクな会話もできず黙しておりました。昔の人は言いましたではないのですか。
「夜目、遠目、傘の内」と女性が一番美しく見えるシチュエーションをはしなくも見事に言葉にしております。何事も控え目になさいませという先人の警句として胸の内にしまっておきたいものです。生き方に比較の対象など決してありません。つまるところ、この道は自分磨きの旅なのですから。