第33話 「ときどき雨、のち、ずっと晴」

一月の下旬。一週間ほど雨模様の日が続きました。傘をさして歩くと、どうしても目線は下を向きます。と、道路のアスファルトの割れ目からしっかりと二本の緑が目を出しているではありませんか。大きなショッピングセンターの前の通り、人通りも終日多いというのに、その健気さに、ひたむきさにグルーミーな気分もふっ飛んでしまいました。えっ!あらためて良く見ると、その二本の若芽の周りを小石で囲んであるではありませんか。ご注意、ご注意、踏まないでという、どなたかの優しい気配りを感じました。雨も寒さも忘れて、こころの中はいっきに春らんまんになりました。人目も多くあったでしょうに、傘をさして、小石を集めて周りに置いてあげる。やさしさと強さをバランスよく頭と身体で表現できる、つまり自分をさらすことを恐れない素直な日々でありたいとあらためて学ばせていただいた二本の若芽とどなたかのやさしさでした。幸せさがしの大切なヒントがありそうですよ。