第31話 「はつ春。結ぶ春。」

新春とか、新年とかいうご挨拶よりも私は、“はつ春”というおだやかで、やわらかな言葉に平穏な年への願いを込めてご挨拶申し上げております。2007年の大晦日は行く年を謝し、来る年を寿ぐ絶好の終夜でございました。
 年を重ねる毎に、ふと我が身を重ねてしまう和装の男・女が華やぎ添えた、希望の振袖、決意の角結び。
 寺町界隈を恒例の鐘付きに廻りました。ゴワン、ゴワンと自らに問いかける鐘の音は、明日ありと信じさせてくれるはげましの絶叫と聞こえました。めり、はりのある日々を送りたいと思う心を励ましてくれる天の声でした。瞬間、瞬間をうめる、無限の人の情け、情愛の深さ。ご縁でございます。見失わないよう目をこらし、こころを澄ましたいはつ春でございます。