パートナー考

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様々な分野で活躍する人たちが考える、男女の距離感

第1話 ‘独りでいいもん’女の大転換

アタシ、結婚とかせんけんね――十代から一貫してこんな調子の娘に、母は苦笑いするしかなかった。“離婚は結婚の十倍たいへん”を子供の前にさらした身として、反論のしようもなかっただろう。離婚のリスクがあるんならそもそも結婚しなきゃいいじゃん、と屁理屈をこねくり回してきた娘だったが、29歳にしてまさかの‘結婚したい症候群’を発症する。とはいえ、それもほんの一時的。三十路に突入するや、少し前に感じた心のうずきの正体を検証するでもなく、目まぐるしい日々を送る。

そのうずきの正体がうっすらわかったのは、夫と暮らし始めて数年後、どうやらこの人とやっていけそうだと思えるようになった、そんな時期だ。それも、検証なんて堅苦しい言葉からほど遠く、二人並んでテレビの旅番組をぼんやり眺めているときに、その答えは軽やかに降ってきた。

結婚しない派の女が、たった4か月付き合った男性と37歳で結婚した決め手については、また次回に。

  • 投稿者:堀田
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様々な分野で活躍する人たちが考える、男女の距離感

第2話 婚前旅行のすすめ

相手の意外な一面を知りたければ、2人で旅行に出るといい。予定通りにいかないのが旅。想定外の出来事への対応の仕方で、その人となりが見えてくる。問題発生率の高い海外旅行に出る余裕はないので、37歳の私は交際4か月の男性と地味に温泉一泊旅行へ出かけた。
行ってみると、その老舗旅館の部屋はボロで景観も悪く、料理もイマイチ。いいとこなしなのだけど、彼は「この“思ってたんと違う感”が楽しいよね」と、ほんわか笑う。私も釣られて「温泉はよかったしね」。私の父のような酒乱でもなさそうだし、こんなおおらかな人ならたいていのことは大丈夫だろうと、結婚を決めた。
それから何年か後、テレビの旅行番組を見ていてこの一泊旅行を思い出した。そうか、29歳の時の結婚願望って、時間をかけて赤の他人と家族になっていく過程を切実に経験したくなったんだなと、柄にもなくしみじみ思った。
結婚14年目に入った「漫才夫婦」の現在については、次の最終回で。

  • 投稿者:堀田
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様々な分野で活躍する人たちが考える、男女の距離感

第3話 毎日が二人旅

「こんな掃除しない嫁、返却しますよ」と夫が言えば、「熨斗つけて返されても、お断りです」と母がウフッと笑う。ツワモノ2人の冗談かと聞き流そうとすると、夫が続けて言ったことには「そもそも結婚は想定外でして」。なぬ!?ここで掃除しない嫁が「そんなの初耳ばい」とツッコミを入れる。

なんだ、私と同じじゃないですか。そんな結婚する気なしだった2人が何の因果か13年も一緒に暮らしてこられたのだから、大したもんだ。今思い返してもアッという間だったなあ。でもちょっと待った、その「アッという間」をあと2巡もすれば、だいたい人生も最終盤。そう考えると意外に短くて焦る。焦ってみたって粛々と日々を送るほかないけれど、夫婦力が試されるのは、むしろ双方の親が老いゆくこれから先だ。それでも悲壮感がないのは、どんな状況に陥っても、独りではなく、2人で向き合っていけると思えるからなのだろう、きっと。

二人旅はもうしばらく続きそうだ。

  • 投稿者:堀田
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