「こんなに遅い時間までドライブだなんて、どこまで行ったの」と母。「どこまでって、お母さん、まだキスまでよ」男と女は行きつ戻りつ、舞いつ、遊びつ、やがて悲しき日もくれば、お見事めでたき日も来よう。シンプルに、シンプルに進んだ方が幸せ確率大。昔も今も、ラブ・スタンダードをどうおふたり流にアレンジしていけるかがご縁、ごめんの合縁、奇縁。
「まだ飲むの?」「もう一杯、もう一杯・・・」この人、意外と意志の弱い人かも?それだけでもう敗戦モード。もう一杯という名前のお酒を飲んでお店を出ようよとか、「これでおしまいっていう酒もあるんだってよ。どう?おしまいにしない?」アレンジはチャレンジごころからの発想。明日へ続くというものです。ハートも大事。言葉はもっと大事。どんなに熱いハートも表現できなければ、ね。スタンダードを大事にしながら、もっと言葉遊びを楽しみましょう。らしくチャレンジ!二人でアレンジ! |

ある団体の登山行に誘われて、福岡県星野村の石割岳という800メートル程度の山行に参加しました。同行の一人の女性の方と意気投合し、おつきあいが始まりました。しなやかな容姿の方ですが、とても
冗舌で、しかしそれぞれに身軽ではないからだですので、お茶をご一緒したり、時にはハイヌーンのジントニックを楽しんだりのおつきあいが続きました。しかし、時を重ね、日を重ねるにつれ、彼女の冗舌
に疲れていく自分を感じるようになって参りました。存在そのものはとても素敵な方なのですが、なぜか疲れるのです。
ふと思いました。話したり、見つめたり、想いを深くしたりすると、純な気持がだんだん鈍化していくことを、感じるハートが違っていたんですね。心地良いひと時を持続したければそれなりの純な緊張が必要なのです。女は男と一緒に苦労するのが一番幸せなのです。男は女がいなければ生きていけないのです。どうぞ言葉だけではなく感じるこころをお大事に。 |

敬愛する作家のひとり、司馬遼太郎さんの作品の中でも「ひとびとの跫音」という雑感風な一冊は生き方の人間らしさを考えさせる佳作であると何回も読み返しております。その中でも殊にこころに響くワンフレーズ。主人公は忠三郎さんです。「忠三郎
さんは生涯で何をした人でもなかったが、ただ存在しているだけで、まわりのひとびとに何かを感じさせる人柄をもっていた」この一節は日頃の言動を考
えると心に沁みます。読みすすむにつれて、忠三郎さんは聞き上手な人だったのだと得心させられます。おしゃべり上手よりも聞き上手。コミュニケーションの間合いを深く反省させられる一文です。
私が会社勤めの頃、ポストアップの研修で積極的傾聴法という講座への参加を命じられ三泊四日、鎌倉研修所で学びました。同室に芥川賞作家の新井満という男がおりまして、彼の私への感想です。「所
詮、あんたは実務家やなあ」クリエーターを自負する私がいかに傷ついたか、言うはやすく、聞くは難し。ご自戒を。 |

| かつては想像だにできなかった若年者の異状な振舞いが社会全体を冷えびえとさせている昨今です。まさか、まさかは人生に一度だけで充分。この世の最後にどうしても越えなければならない坂を“まさか”と言われて越えて行くのです。あの人とあの人が、まさか?なんて、ちょろいちょろい。そんなまさかはどんどん踏み越えていったらいい。何度でも越えていけるまさかですから。まさか、まさか、まさか、まさかで人間は強くなっていくのです。えいやっという勇気と素直な立ち直りの連続技と涙をこらえて磨いていってこそ自分らしい生き方、信念らしきものが身につき、人生を支えていってくれるのではないでしょうか。中原中也の詩の結びの一節に「心いっぱいにざんげして、ゆるされたいといふ気持の中に、再び生きて、僕は努力家にならうと思うんだ」(現詩はほとんど難しい漢字ですので失礼ながらカナ表記といたしました)この失礼ながらは皆さまへの挑戦ですぞ。おがんばりなさい。 |

| 敬愛する先輩から一枚の絵が送られてきた。富士の絵でした。しかも赤富士。赤富士は古来より吉兆のきざし、良い事の前兆として崇められ、人々を希望に満ちた幸せな気分にさせてきました。彼女がなぜ今ごろ赤富士を私に。「あなたが少し酔って、少し冗舌になって、ポッと赤らんだ顔で私を見つめていた、かつての日々を懐かしく思い描いてみました。」とメッセージが添えてありました。今は鎌倉に住み、地域の文化を大切にしながらご自分のセンスを寄り添わせ、昔と変わらぬおだやかなペースで、おだやかな日々を楽しんでおられると伺っていただけに、再び、何で今さら。もし彼女がここまで年上でなかったら、誰もがうらやむ才色の人でなかったら、そして何より私にもっと勇気があったなら・・・。誰にも知れず、ひっそりと別れたあの日は無限に遠い。寝台特急“さくら号”の別れの気笛が、時間と距離を遠く遠く引き離し、二人の道は交わる事なく、会う事もなく、それぞれの人生を今に引きずっている。想い出のひとつひとつに、ピリオドを打つ気になった事を彼女は赤富士に託して伝えてきたのだろうか。赤い糸は誰も結んではくれません。覚悟と勇気です。他山の石として、さあ諸君、当って砕けろ。砕けて泣け。後悔するよりはいさぎ良い人生を。 |
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